私は、某小児ICUが熱い志を持ったDr.によって始動した頃の看護師でした。今でも思いますがあれだけオールマイティに診療ができた先生は、いなかったと思います。先生の診察スタイルは独特でした。何があっても、例えばちょっとした怪我で来た患児であっても、必ずベットに寝かせて頭の先から爪の先まで自分の手で触って異常がないか確認するのが日常でした。子供達が怖がらないよに巧みにお話をしながら、白衣を着ずに診察をしていました。その当時では画期的な試みだったと思います。怪我できた子で早期の悪性腫瘍が見つかり助かった事例もありました。私は、その先生から沢山の事を学びました。今振り返れば絶対的な恩師であったと思います。何もわかっていない私に、手取り足取り教えていただきました。感染症の見分け方、緊急時の対応等、症例毎、その都度その都度、検査データやレントゲン写真を私たち看護師に見せながらどうしてその診断となったのか丁寧に教えてくださったのを覚えています。その診断は的確で、不必要な検査は一切しませんでした。時として、患児を診ないままにルーチン検査を先にして、データを重視して診断される先生方も多い中、不必要な検査はする必要はないと先生は語っていました。そんな先生と共に頑張っていた歴史のある小児ICUが閉鎖され新しい場所へ移りました。時代は、流れていきますね。しかし、そこで皆で力を合わせて懸命に働いた日々は生涯私の脳裏から離れる事はありません。とても優秀な先生方や先輩NSに育ててもらった事が私の大きな財産であり、今の仕事の原点でもあります。そして、その時代にそこから天国に旅立った天使達に生きる意味を教えてもらった気がします。かっちゃん、ひとみちゃん、まさるくん・・・私は、まだまだこれから頑張ります!あなた達がお家に帰って叶えたかった夢をこれから病院から帰る事ができるお友達のお手伝いをする事できっと叶えていきますからね。